弁護士 宮本 督
エッセイ:to be a Rock and not to Roll
ワールドカップ観戦記
この原稿がUPされる頃には、サッカーのワールドカップも終わっちゃって、にわかサッカーファンの皆々様方も、あの日の喧騒を忘れているんだろうね。
列島各地で、えれー盛り上がりを見せた1次リーグ第2戦でのワールドカップ初勝利の日、ワシは、横浜国際総合競技場で観戦していたんだ。最初から最後まで、特に、後半、日本代表が、再三、ピンチを迎えるたびに大騒ぎだったね。あー、ワシも日本人なんだなと思ったね。つくづく。言っとくけど、これは自慢話だよ。これから、ワールドカップの度に、自国代表初勝利のその日、それを現場で目撃していたことは、ずっと思い出すんだろうね。
それはともかく、ワシは、小学生の時は野球少年で、中学校ではサッカーをしていたんでね、いや、ホントだって、当時は痩せていたんだから。それで、ぶくぶく太った今でも、野球やサッカーはよく観戦に出かけるんだけど、いつも感じるのは、スポーツって、われわれ素人が遊び半分でやるのと、基本的には同じものなんだよね。ただ、フィールドにいるのがメチャクチャ上手な人達だというだけで、連中は、ワシらと同じことをやっているだけと思うんだ。
これが、音楽や演劇となると違うんだな。ワシは、今でも、ときどきロックコンサートに行くし、一昨年だったけな、ミュージカルにはまっていたのは。まあ、それはいいとして、ギター少年だったワシが、田舎のライブハウスでやっていた演奏と、エアロスミスのコンサートは、まったく別もののような気がするんだわさ。同じことを、すんげー上手い人がやっているわけではなく、全然別のことをやっているような気がしちゃったりするんだ。やっぱ、機材とか、照明とか、いろいろあって、まあ、ショービジネスって、すごいんだろうね。でも、それだけなのかな?
うむ。なかなか、示唆に富んだ語りだね。我ながら。
だけどね、人間の肉体が生み出す感動って、機械で増幅されたショーの感動よりさ、何というか、快いよね。中田英寿は本当に上手だったし、この日、ディフェンダーの宮本はサイコーだったしね。こっちも、いろいろ細かいことは考えないでさ、星空の下で、まったく知らない隣の席のアンチャンとかと大騒ぎして。
でも、あれかな。そんな風に思うのって、ただ、あの日、天気が良くて、風がさわやかで、ビールがおいしかっただけかも知れないけどね。