弁護士 宮本 督
エッセイ:to be a Rock and not to Roll
自転車ツーキニスト宣言
私の自宅は中央区佃。東京駅八重洲口から2キロ。隅田川とその支流に囲まれ、林立する超高層マンションと、戦前からのものと思われる木造家屋やおばあさんが日向ぼっこする路地裏が同居しています。お隣は、もんじゃで有名な月島。
事務所は、港区虎ノ門(神谷町)。日比谷線では、霞ヶ関と六本木の間にあるサラリーマンの街。ネット系ベンチャー企業が集まっていることで有名ですが、私たちの同業者(法律事務所)も多いようです。
この間、約4キロ。地下鉄を利用すると、駅までの徒歩も含めて35分くらい。電車の待ち合わせが悪いと40分くらいかかることもあります。タクシーだと15分から20分くらいかな。ただし、これは早朝や夜中の時間で、昼間の渋滞タイムのことは想像したくもありません。
しかし、4月から、私は、雨の日以外いつも15分(朝食のための寄り道時間は除きます。)で通勤しています。自転車です。サイコーっす。普段は、なかなか気付かない四季を感じ、風のにおいを心地よく感じながらの通勤です。渋滞も、一方通行も関係なし。エコだし。
きっかけになったのは、テレビ局勤務の疋田智氏(学部の先輩らしい)のホームページに触発されまして。「自転車ツーキニスト」ってのも、このホームページからいただきました。まあ、その他にもゴチャゴチャといろいろありまして...。
いいことばかりじゃないことは認めます。雨と汗とお酒と危険。
まず、雨。私は、雨の日は乗りません。これで解決。
汗ね。これは問題。私はスーツを着ないので、問題は少ないですが、スーツ着なくちゃならなくて、シャワーもない職場環境の人は大変でしょう。着替えをリュックに入れたり、いろいろ工夫している人も多いとか。
お酒。私は、銀座や六本木で飲むことが多いですが、大抵は、酔っぱらったまま自転車で帰ります。対策放棄。
それから、危険。特に、どうしても幹線道路を使わざるを得ない私は、四車線道路でクラクションの嵐に巻き込まれることがないとは言えません。何せ、直進しなくちゃならないのに、左折レーンを走るわけにも行かず、自転車での走行中に、左肘の直ぐ左を大型トラックが抜き去っていくときの冷や汗は、何ものにもかえられません。
いろいろありますが、朝、起きるでしょ。眠いんですね、これが。ホント。風呂場まで体引きずって、シャワー浴びて、それから愛車にひらりと跨って築地市場まで約5分。今日は、何を食おうかなんて考えながら、勝鬨橋で隅田川の風とか感じて。いいねえ。しびれるねえ。きっと、これ書いている人、そんな自分が大好きなんだろうねえ。It's so easy♪っと。Easy to be happy♪っときたもんだ。って、これ、なんて歌だっけ?
で、築地市場。ここは早朝なのに、みんな元気。最近は、場内8号棟の「かとう」の煮魚定食がお気に入りだが、「つま亀」の天丼もお勧め。しかし、築地って、ハズレがない。朝飯を食ってるうちに目が覚めてきて、四車線道路直進の恐怖ゾーンを抜けて、職場までは約10分。最後が上り坂なんだな。愛宕の山は、天下の嶮。I want to ride my bicycle, I want to ride my bike♪っと、これはクイーンだね。
で、事務所。そんなわけで、通勤は快適になりました。とっても。でも、仕事は相変わらずなんだなぁ、これが。昨夜やり残した仕事が山積み。うんざりだぁね。うむ。I don't like Mondays, I want to shoot the whole day down♪って、これは、ブームタウン・ラッツだ。「哀愁のマンディ」だったかな。
何でもイイや。あ、そろそろ10時の法廷に行かないと。裁判所にも、もちろんチャリンコでお出かけです。そんなわけで、日本一感じのいい弁護士を目指すおじさんは、今日も、国道一号線をそよ風とともに進むのでした。おしまい。おしまい。