弁護士 宮本 督
エッセイ:to be a Rock and not to Roll
ハゲ、フサフサ、ハゲ、フサフサ
「ハゲ・フサフサ」の法則って知ってますか?ロシア・ソ連の最高権力者は、禿げ頭とふさふさ頭が交互に務めるという法則で、話はニコライ1世(ハゲ)が皇帝になった1825年に遡ります。そこからアレクサンドル2世(フサフサ)、そしてアレクサンドル3世(ハゲ)、次が最後の皇帝ニコライ2世(フサフサ)。二月革命で臨時政府の首相になったのがリヴォフ(ハゲ)で、後を継いだのはケレンスキー(フサフサ)。10月革命でレーニン(ハゲ)がソビエト連邦の実権を掌握。んで、スターリン(フサフサ)→フルシチョフ(ハゲ)→ブレジネフ(フサフサ)→アンドロポフ(ハゲ)→チェルネンコ(フサフサ)→ゴルバチョフ(ハゲ)ときて、ソ連は解体。ロシア連邦になって、エリツィン(フサフサ)→プーチン(ハゲ)→メドベージェフ(フサフサ)で、今(2022年)は再びプーチン(ハゲ)。民主的な選挙はないみたいですが、ある意味、とっても公平で平等な国といえます。頭(トップ)がハゲでも、政治ではトップになれるチャンスがあるわけですから。
これと対照的なのがイギリスでしょうか。議院内閣制の国ですが、最後に国政選挙を制したハゲの党首は、なんとウィンストン・チャーチルだそうで、それ以来、ずっと首相はフサフサ。アメリカも不平等の極みです。薄毛の大統領はニクソン辞任で後を継いだフォードが最後で、ここ半世紀近くの大統領選挙は、必ずフサフサが勝利しています(バイデンもハゲてない)。この国でも、ハゲの首相は宮沢喜一さんが最後ではないでしょうか(福田康夫さん?でも、ハゲではなかったですよね?)。
って、こんな話をしているのは、私自身が薄毛だからです。33歳の時から17年間に渡りずっとカツラを愛用していましたが(使い始めた当時、このエッセイでも紹介させていただきました)、一昨年10月にカツラを止めることにしました。選挙の話を持ち出すまでもなく、男性だってルックスは大事で、仕事をする上ではもちろんのこと、例えば、まったくのプライベートな友人選び等の場面でも、人は、少なくとも無意識のうちには、髪形を含めた外見から受ける印象を大きな判断材料にしていると思います。と、そんなわけで長い間、カツラにはお世話になってきたのですが、一昨年、50歳になったこともあって、見た目の重要度も若い時ほどではなくなったなと思い、思い切ってボウズ頭で後半生を過ごすことにした次第です。
月に一度のカツラ屋通い(そこで散髪していました)もなくなり、残っている髪の毛は、週に一度、自宅の風呂場で、自らバリカンでカットします。バリカンは、理美容院のチェーンを経営しているお客様から、お店でも使用しているという優れものを頂戴しました。
上に書いたとおり、こんな不公平で不平等な国では、ハゲになった私が、政治家になる道は絶たれたようです。引き続き、弁護士として仕事をさせて頂きますので、本年も、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。