銀座数寄屋通り法律事務所[旧 中島・宮本・溝口法律事務所] >HOME

弁護士 宮本 督

エッセイ:
to be a Rock and not to Roll

2003.12.16

ロックコンサートで見かける女の人達

 11月6日に代々木体育館でメタリカの、11月28日に文京シビックホールで忌野清志郎の、12月3日に武道館でエリック・クラプトンのコンサートを観た。
 それぞれ、ヘビーメタル、ソウル、ブルースと色合いが違うが、一応、全部、ロックコンサートと分類していいと思う。それぞれ、いいコンサートで、特に、一番期待していなかった忌野清志郎のステージは感涙ものだったが、そんなことより、今回は、会場の雰囲気、特に観客の女性達の雰囲気の違いに驚いた。
 まず、メタリカ。ご存知、ヘビーメタルの大御所。観客席は、要するに、現役の不良少年と引退した不良少年の吹きだまり。コンサートホールでは、いつも大混雑の女子トイレはガッラガラ。で、開演前から滅茶苦茶。「異様」というほか言葉が見付からないヤバイ雰囲気。私は、退職したこの事務所の事務員さん(女性)と行ったんだけど、彼女と「居場所ないねえ」なんて話しをしてたら、いきなり客電が落ちて開演。大音響。さらにメチャメチャ。ヘビーメタルのコンサートなんて出掛ける年齢じゃないのね、私。33歳。もう大人だし。来てる数少ない女性は、例外なく、現役の不良少女と引退した不良少女。でも、私にとっては、その昔を思い出して、ちょっと親近感。微笑ましく眺めていると、向こうは、私のこと胡散臭そうに見たり、睨み付けたり。怖い怖い。
 次に忌野清志郎。ご存知、RCサクセションのボーカリストで、日本ロック界の大御所。私は数限りなくロックコンサートを観てるけど、多分、RCと忌野清志郎のコンサートが一番多い。日本人だもんね。「永遠に少年少女でいつづけるための音楽があるとしたら、それはきっとRCサクセションのロックンロールのことなのだろうと思う。哀しいくらい成熟できなくて、もどかしいくらい愚かで、泣きたいくらい伝わらなくて、言い訳できないくらい真っ直ぐで、それでもいとおしく、大切で。RCの曲には、いいようのない青春がいっぱいに詰まっている。」って、誰かが書いてた。ふーん。で、忌野清志郎のコンサート。観客席を埋める女の子というか女性達は、何というか、「当たり障りのない」という形容がぴったり。クラスに何人かいたでしょ。パッとしない学級委員タイプ。んで、パッとしない勉強だけ少しできる男の子とかが、密かにあこがれてて。あんな感じの女の子とか、あんな感じだったと思われる女の人とか。そんなんばっか。「永遠の少年少女」とか「いいようのない青春」って、こんな感じなの?あらあら。文京区役所内のホールなんて地味な場所だったからかな。忌野清志郎は、ホントに熱演だったのにね。
 それから、エリック・クラプトン。ご存知、ギタリストの大御所。このコンサートが、年齢層は様々ながら、「いい女」といわれる(いわれた)であろう方々が一番多かった。武道館に着いたのが開演直前だったので、あんまり鑑賞してる暇もなかったけど、これからはブルースかねえ。と思ったりもした。
 でも、そういえば思い出した。昨年暮れ、お客さんに招待されて葉加瀬太郎氏のコンサートに行ったときの、会場の女性達の輝き。美しかったなあ。あのときは、もう、薄汚いロックなんて止めて、これからはクラッシック音楽だな、と思ったものだ。そんなことを1年経って、このエッセイを書いていて思い出した。
 じゃ、また、来年。
 どっかのロックコンサートの会場で、お会いできるのを楽しみにしています。