企業と法律
企業倒産
企業のための民事再生の法律相談
弁護士 宮本 督
3. 民事再生と債権者
(6) 開始後債権の取扱い
再生手続開始後の原因に基づいて生じた請求権で、共益債権、一般優先債権、再生債権のいずれにも該当しないものは、「開始後債権」とされます(123条1項)。具体的には、〔1〕管財人が選任されている手続で、組織法上の行為を行うことなどによって生ずる請求権のうち、やむをえない費用とはいえないため共益債権となり得ない請求権や(119条7号参照)、〔2〕再生債務者がその業務や生活に関係なく行なった不法行為を原因とする債権などが考えられます。
開始後債権は、再生計画の弁済期間が満了してからでないと弁済を受けられません。また、それまでの間、開始後債権に基づく再生債務者の財産に対する強制執行、仮差押及び仮処分の申立も禁止されます(123条2項・3項)。