企業と法律
ゴルフ情報の法律問題
ゴルフ場問題Q&A
(「ゴルフ会員権法律相談」ゴルフワールド)
弁護士 宮本 督
Q12 クーリング・オフ
ゴルフ会員権の購入を会員権業者から電話で勧誘されて購入を約束したのですが、思い直して、数日後、この業者にキャンセルの電話を入れたところ、もう契約は成立しているからキャンセルには応じられないと言われました。どうすればいいでしょうか。
A
この業者の言うとおり、電話での約束でも契約は成立します。契約書は、契約がされたことの証拠に過ぎず、契約書がなくても、契約の成立には何の問題もありません。しかし、業者が電話をかけて勧誘し、ゴルフ会員権を顧客に購入させる取引には、訪問販売法という法律が適用されます(なお、業者の方が顧客から会員権を買い取る取引についてはこの法律の適用はありません。)。
訪問販売法が適用される取引には、業者に対し、契約内容等の所定の事項を記載した書面を顧客に交付する義務が課されます。そして、この書面の交付を受けた日から八日以内であれば、顧客は書面により契約を解除することができます(クーリング・オフ)。
ご質問のケースは、どちらから電話をかけたのかといった具体的な事情がわかりませんが、訪問販売法が適用される取引である可能性があります。そして、同法が適用される場合、右の書面が交付されてから八日以内であれば、クーリング・オフが可能です。また、この八日という期間は書面が交付されてから起算されますので、この書面が交付されていなければ、契約から何ヵ月か経った後でも、クーリング・オフは可能です。
なお、訪問販売法は、電話による勧誘に対し、顧客がその電話の中で購入の申込や売買契約をする場合だけでなく、電話を一旦切った後、顧客が改めてファクシミリ等で契約する場合にも適用されます。