弁護士 宮本 督
エッセイ:to be a Rock and not to Roll
弁護士採用面接
エッセイの更新をサボっていたら、死んだんじゃないかとの問い合わせもあったので、たまには更新してみないと。
というわけで久しぶりのエッセイなわけだが、最近、来年入所予定の弁護士さんの採用面接をしてる。報道のとおり、司法試験の大量合格のお陰様をもって、無茶苦茶たくさんの司法修習生が応募してくれてる。で、それなりに時間を割かれるんで面倒だし、仕事はたまりがちになるワケだが、ここで手を抜いて、変なのを採用しちゃうと、指導がカッタルイだけじゃなくて、お客さん達の信用も失いかねないことになるので、諦めて、ちゃんとリキを入れて面接・面接。今日も面接。明日も面接。だって、1回で4人とか5人とかと会って、それを1日に数回で、何日も繰り返すんだもん。ちなみに、予定採用枠は1人だけ。砂浜で落としたコンタクトレンズを探すような作業といったら大袈裟だけど、正直、結構、しんどい。
でも、面白い方も来る。法科大学院っていうのかな、いわゆるロースクール制度ができて、合格者も大幅に増えたためか、昔は、この業界、受験エリートの成れの果てみたいなのばっかりだったけど、今では、大学は法学部じゃなくて、社会人経験を経て、その後、司法試験にチャレンジしたような方も少なくない。んで、将来のビジョンとかを自由に喋ってもらうと、この世界にどっぷりつかってる現役の弁護士には思いもつかない着想で、こんなビジネスを手掛けたいとか、あんな制度がこれからは大事になると思うとか、いろんなアイディアがポンポン出てきて、なかなか興味深い。もちろん、そんなの現実的じゃないとか、規制があるんだよとかって、突っ込みたくもなるけど、発想自体が斬新で、とても羨ましくて、なんだか眩しく思えちゃったりする(こともある)。
それから、法曹を志した動機とか、弁護士としての目標とかを聞いてると、昔々の、もう忘れてる若かりし頃の自分に出会えたような気がして、「あー、そーいやー、オレもそんなこと考えてたなあ」なんて思ったりして、ルーティーン・ワークに押しつぶされそうな毎日の中では、とっても新鮮な出来事。
というわけで大変ながら面白いこともあるわけですが、まだまだ面接は続く。もちろん、修習生の皆さん達も、うちの事務所以外にもたくさんの法律事務所に応募をしているわけで、私たちが来て欲しい方に、来てもらえるとは限らないけど、採用予定者が弁護士登録をするのは、確か来年の今頃だったはずで、その頃、皆様に、自信をもって新人弁護士をご紹介できることを楽しみにしながら、また今日も、これから面接・面接なわけです。